2019年4月19日
鉄道発祥の地、新橋。日本最初の始発駅「新橋停車場」に行きました。
つい先日、新橋駅から5分のところにある「旧新橋停車場」に行ってきましたので、ご紹介します。
これは1872年に日本最初の鉄道として新橋〜横浜間で開業した路線で東京側の始発駅として設置されたもので1914年の東京駅開業まで新橋駅として日本を代表する旅客ターミナルとして活躍しました。
こちらは現在の新橋駅。
現在の新橋駅は東京駅開業までは烏森駅という駅でした。
こちらが新橋駅があった場所。
その遺構を保存しようと建設されたものです。
こちらの新橋駅は東京駅開業により旅客駅としての役割を失い、1914年からは汐留駅として貨物ターミナルとして利用されました。開業時の駅舎は歴史的文化遺産として保存されており、鉄道博物館の建設も検討されましたが、その最中、1923年に関東大震災が発生。開業時の建物は焼失していました。その後、1934年に鉄筋コンクリート製の建物が汐留駅として再建されました。
JR分割民営化直前の1986年まで使用され、駅施設の手狭さを理由に東京貨物ターミナル駅にその役割を譲りました。
最後には残った線路を利用して鉄道発祥の地にちなみ、JR分割民営化のイベントが行われました。それがかの有名な蒸気機関車の汽笛によって国鉄の終焉を世間に知らしめたあのイベントです。
この新橋駅は1964年に国の史跡に指定されています。
汐留駅の廃止後の1991年からは発掘調査が行われ、沢山の遺跡が出土しました。
その結果、たくさんの礎石などが発掘され、1996年に「旧新橋停車場跡」として国の史跡に再指定され、2003年にこの史跡を後世に残す目的からこの「旧新橋停車場」が開業しました。
運営はJR東日本が資金捻出を行なった「公益財団法人 東日本鉄道文化財団」が行なっています。
建物外にある遺構は撮影可能となっていたので撮ってきました。館内にある展示は撮影禁止です。
こちらの写真は駅舎の玄関遺構。
当時のものが出されています。
こちらは鉄道開業当時と同じ位置に設置した線路。右端の0哩(マイル)標も当時と同じ位置にあります。
こちらが当時を再現した鉄道線路。
見た目は同じですが、枕木は今はコンクリートになっているものが多いですが、木製ですし、枕木と線路のつなぎ方も今とは異なります。そこまで再現しているかはわかりませんが、おそらく再現しているものと思います。
ホームの客車式と呼ばれる高さになっています。
昔の駅は全てこの客車式ホームでしたが、最近の電車はもっと高い位置に乗降口が設けられていますからそれに合わせて古くからのホームにかさ上げする形で多くの駅が高さを上げたのです。
実は新橋停車場廃止後の貨物駅、汐留駅から出ていた貨物線遺構は廃止時のものが残っています。
浜松町駅から東海道新幹線の線路よりも奥を見ると東海道新幹線の線路でもない、錆びた、架線のない線路があります。これが1986年まで使用された汐留貨物線です。
機会があれば見てみてくださいね。
今ではあまり終着駅、始発駅のイメージを持たない新橋ですが、桜木町と並ぶ鉄道発祥の地として日本の鉄道発達に大きな役割を果たしました。新橋〜桜木町駅間だけで始まった鉄道は総距離20140キロにもなり、世界で13番目です。これだけ狭い国土の日本で13番目はすごいことです。都市と都市、地方と地方、都市と地方を結ぶ架け橋として、多くの夢や希望を運ぶ役割をこれからも期待したいものです。
次回は「中央線特急乗継の旅」を配信予定です。
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