2019年10月4日
京急と大船の意外だけど密接すぎる関係性知っていますか?
今回は「京急」についてご紹介します。
京急は日本の大手私鉄の一つに数えられ、東京と神奈川を代表する鉄道会社の一つでもあります。120キロ運転、快特の速さ、駅の多さ。
たくさん魅力はあります。ただ、京急の凄さは「国鉄、JRとの競合区間ばっかりなのに潰れないどころか大手私鉄」と言うところです。
聴くとかなり驚きますが、京急でJR東日本との競合に全く晒されない独占できる区間は相当限られます。品川から横浜に出ようもんなら東海道線と競合、羽田空港アクセスはJR東日本グループの東京モノレールと競合、横浜から杉田方面は根岸線と競合、逗子線は横須賀線と、横須賀中央や久里浜方面も横須賀線と競合関係にあります。
細かい区間ならまだまだありますが、ほぼ全区間にわたってJR東日本と客を分け合っているのです。普通ならば国鉄やJRとほぼ全区間で競合関係になれば経営は苦しくなっていくもしくは伸びないと言うのが流れなのですが、京急はそこが違います。互角もしくは圧倒的に勝っているのです。
実は京急は横須賀線の品川〜久里浜駅間の主要駅のうち、唯一乗り入れていない駅があります。それは「大船」です。明治の時代から主要駅として扱われ、需要が大きい大船を京急はなぜ見逃したのか。これは謎でした。それが、実は京急は大船にも手を出していたのです。そして今でも密接に関わっていました。
京急の前身である京浜電鉄は大船〜江ノ島間で日本初の有料道路の一つとされる道路事業を運営していた会社を合併し、この区間からの進出をめざします。戦争中の休止状態を経て、京急のこの区間が引き継がれました。京急は1950年に路線バスの運行を再開。これと同時に有料道路も再開しました。しかし、自動車の普及が進むと有料道路と交差する一般道路が増え始め、フリーライダーを排除しきれなくなったことから1989年に有料道路としての営業を終え、一般道になりました。
大船江ノ島間のバスは引き続き京急により運行され、現在も京浜急行バスによって運行が続いています。
有料道路の営業終了の少し前、有料道路の真上に湘南モノレールが開業。実は京急は湘南モノレールの株主として間接的にとはいえ、引き続きこの区間での営業を行っていたことになります。
大船駅前にある「ルミネウィング大船」。
これは流石にJR東日本じゃないの?
ええ、京急も関連しています。
名前をよく見てください。
横浜などにもある「ルミネ」はJRグループです。
大船は「ルミネウィング」です。
ルミネはJR東日本の商業施設。
実はウィングは京急の商業施設の名前です。
ウィング高輪やウィング上大岡はよく知られます。
専門店の出店やカードなどの多くの営業システムはルミネに基づいていますが、食品フロアを設けて惣菜を販売するなどの営業手法は京急のものです。実際のところ、このルミネウィング大船だけは株式会社ルミネと京浜急行電鉄が半々で株を保有しています。
実は大船の東側の一つのシンボルは京急によるものだったのです。現在、東側で進む再開発では東急が参画する見通しで京急とJRの協力で発展してきた大船の形は変わっていきそうです。
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