2019年8月30日
国家資格取得者が見る!外資系旅行予約サイトの危険性とは何なのか。 消費者が損することに?!
皆さんは「旅行予約サイト」を利用しますか?
とても便利で安価で予約できることがあるなど、重宝されている方も多いことかと思います。
旅行予約サイトのみで旅行業を扱う旅行会社をを一般的にOTA-Online Travel Agency と呼ぶことがあります。このOTAは国内旅行、さらには海外旅行を対象に手配旅行やパッケージツアーと呼ばれる募集型企画旅行など取り扱いは多岐にわたり、さらに営業時間に縛られることなく24時間取り扱えることが多いことから旅行業界でのシェアを広げています。
しかし、このOTAについて消費者庁によるとトラブルが広がっているというのです。
今現在、このようなオンラインの旅行予約サイトで主流なのは楽天トラベル、じゃらん(この辺りが国内シェアはかなりでかい)、るるぶトラベル、一休、エアトリなんかが知られます。
最近特に国内シェアを急拡大させて来ているのがエクスペディア、Booking.com、トリバゴ、Hotels.com、TripAdvisorです。
前者としてあげたものは日本企業が運営するもので、後者ものは外資系企業が運営するものです。
外資系企業は企業規模でいうと日本の旅行会社の比にならないほどに大きなものです。
海外では比較的早くからオンライン予約というのものが浸透していて日本ではかつてからじゃらんや楽天トラベルがよく知られていますが、そこに外資系企業が入ることで競争が激化し、現在ではシェアの4割を獲得。JTBや日本旅行といった店舗運営を行う旅行業者にも見捨てられない存在となってきています。
今回問題としてあげるのは外資系企業が運営する旅行予約サイト。事前にお断りを入れますが、先程例としてあげたサイトやこの先で上がってくる企業に関して全てがこの問題に当てはまるわけではないということもご理解の上、ご覧ください。
消費者庁や国民生活センターによると旅行に関する相談のうち、約半数はインターネット予約に関するものでそのうちの多くが契約に関する事項だといいます。
その原因は海外からであることと消費者の未熟さがあります。
そもそも日本で旅行業を開業しようとした場合には「旅行業の登録」を行わなければなりません。旅行業法では第1種旅行業、第2種旅行業、第3種旅行業、地域限定旅行業、旅行業者代理業というものに分類されます。これらは扱える旅行業の範囲や販売して良い商品にそれぞれ違いがあります。また、供託金(事前に納めなければならないお金)の額もその業務範囲が広がるにつれ、高くなるようになっています。
また、登録要件に登録者の資産額の規制があり、そう簡単には参入できません。
(ちなみにJTBなどの第1種旅行業の営業保証金(供託金)は7000万円、基準資産は3000万円)
また、これらの旅行業者は必ず旅行業務取扱管理者を選任しなければなりません。
では、海外から来た外資系企業の場合はどうなのかというと旅行業法に基づく登録は必ずしも行うものではありません。海外の旅行予約サイトが営業する場合には海外でのいわゆる旅行業法に則っていれば良いわけで日本の厳しい規制から外れることがあるのです。
これについては旅行業協会も問題視しているため、改善されることがあるかもしれませんが、現段階ではされていません。
外資系企業の場合、日本の旅行業法に規制されません。それにより起きている問題は消費者を守れないということです。
例えば先ほどもご紹介した営業保証金ですが、これは単に業界への安易な参入を防ぐ以外にもこの営業保証金を元手に旅行業者の債務不履行の際に旅行者への弁済を行うのです。
外資系企業にこの営業保証金を供託する必要はありませんからもちろん業者の債務不履行時の消費者への弁済もありません。
次に標準旅行業約款に従う必要がないことです。
これは国から出されているもので日本の旅行業者はこれを守って旅行商品を販売しています。
消費者が旅行契約をキャンセルした際の取消料に関する規定、旅程管理義務に関する規定などがそれにあたります。
日本の場合、取消料は国内旅行では20〜8日前(日帰りの場合は10〜8日前)の連絡では旅行代金の20パーセント以内、7〜2日前では30パーセント、前日では40パーセント、当日なら50パーセント、旅行開始後と無連絡の場合には100パーセントなっていて、これらに該当しなければ全額を返金するよう規定されています。また、旅程に重要な変更が発生した場合には取消料は必要ないとされています。
このような感じでもう本当に細かく消費者を守るための規則があります。現在の法律ではこれらの旅行業に関する厳しい規則に外資系企業は当てはまらない場合がほとんどです。何事もなければ安くて良いのですが、トラブルやキャンセルの際に消費者が損をする事態が多いのだそうです。
私は国内旅行業務取扱管理者という旅行業法に関する業務の管理、監督を行える国家資格を取得しています。私ならば外資系企業の旅行予約サイトはあまり使いたくありません。日本の旅行業法に則った登録を受けた会社を利用したいものです。主に自由な競争を抑制する政府の介入は理由があって行われています。でなければ、資本主義らしく自由放任主義で良いはずなのですから。ただただ安いというだけに踊らされない賢い消費者になりたいものです。
なるべくなら旅行予約サイトで簡単に済ませたいという消費者のために。
日本の旅行業法に登録されている旅行予約サイトでは各社のホームページに登録に関する情報が掲載されています。Google検索で「(会社名) 旅行業登録」と検索すると登録されている旅行業者の場合には上の写真のような登録情報が見られます。観光庁長官登録とか〇〇知事登録などとあったらそれは日本の旅行業法に則った旅行業者です。
(例は楽天トラベル/https://travel.rakuten.co.jp/)
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