2019年4月2日 2019年4月10日
国鉄時代をとどめるグリーン車!185系グリーン車を紹介!
今回は前回記事でご紹介したホームライナー小田原21号に使用される185系グリーン車をご紹介します。
ホームライナー小田原21号は185系7両で運転されます。
今回はこの7両というのがポイントです。
そもそも185系は東海道線で使われていた153系の置き換えを目的に1981年に運転が開始されました。当時153系は多くが製造から19年が経過し、経年劣化が進んでいたことから置き換えられることになったのです。しかし、当時は国鉄末期の財政難。こんな時に急行伊豆を特急に格上げするための特急専用車両の新造などまともに通るはずがありません。そこで国鉄は保有車両数を削減することを目的に新たに製造する特急形車両185系を「特急にも通勤にも使える車両」として製造することにしたのです。
当時、特急車両は1両につき1扉が基本だったところを2扉にしました。しかし、特急運用のためにデッキは付けます。東海道線の混雑に対応するためにドアは大型のものを採用しました。
国鉄はこれを1982年に高崎線で使用されていた165系を置き換えるために耐寒耐雪機能や横川軽井沢間の勾配対策を施した物を増備し、合計で227両が製造されました。
これは国鉄が最後に製造した特急車両となり、1987年の国鉄分割民営化のときに185系は全編成がJR東日本に承継されました。
JR東日本では車内の快適性向上の改善工事を行い、東海道線のラッシュ混雑に対応できないということで185系の使い道として湘南ライナーを提案。
東海道線の通勤ライナーの幕開けとなりました。
JR東日本が行った快適性向上工事ではもちろんグリーン車も対象なり、主に踊り子用の10両編成、5両編成のグリーン車(基本編成のみ)は座席ごと換装され、かなり快適性の高いものになりました。
しかし、高崎線方面に投入された7両編成のグリーン車は座席のフレームを維持し、机などの付帯設備のみを追加する工事を行ったため、ある意味で国鉄時代のグリーン車をとどめる唯一の車両となっています。
高崎線方面に投入された7両編成も特急草津などの運用を651系に譲って以降は臨時の踊り子号やグリーン車を抜いてムーンライトながら号の運用、このホームライナー小田原21号や湘南ライナー10号に充当されています。OM編成と呼ばれています。
こちらがそのグリーン車。
7両編成のグリーン車は4号車のみです。
外見は10両のものとなんら変わりません。
車内はこちら。
これを見てもまだわかりにくいかと思います。
10両のグリーン車を普通だと思っているとこれを見てびっくり。
座席が明らかに違います。
簡単にいうとグレードダウンしているわけです。
10両に搭載されている重みのある座席の雰囲気はなく、いかにも軽そうな感じ。
リクライニングはぐっと深く倒れますが、やはり座面がうまくフィットしません。
フットレストがあります。
これはさすがは国鉄分割民営化直後のデザイン。
土足用と素足用が裏表で搭載され、高さも調節できます。
リクライニングレバーが最近では見ない形。
白い部分を動かして背中を押すとリクライニングが可動します。
10両のグリーン車は肘掛部分内蔵のインアームテーブルですが、こちらはグリーン車とは思えない小ささのシートバックテーブル。
とても単純で前後に動かすなんて到底できません。
グリーン車のドアは早くから自動ドアだったのですが、人感センサーが開発される前までは重さで開ける方法でした。
今では人感センサー式に改造されていますが、当時のまま重さを感じる機械も残されています。
これも国鉄の名残です。
JRになって廃止されましたが、国鉄の優等列車には車掌長、乗客専務車掌、車掌補が乗務しました。
それぞれ業務を分担していました。
現在ではその役職は廃止され、いずれも車掌と呼ばれます。
その乗客専務車掌の名札入れが7両編成のグリーン車には残されているのです。
車販準備室。
最近の車両では業務用室ということが多いですね。
床も高級感があるかと言われればまた違った雰囲気です。
ライナーではグリーン車も自由席なのでサボも自由席が入ります。
トイレはこちら。
青主体のトイレ。
流石に和式からは改造されていますが、こちらも古さを感じます。
こんな185系ですが、登場から30年以上が経過していることから中央線特急から転用してくるE257系に置き換え後、廃車になるとされています。
首都圏に乗り入れる最後の国鉄型特急車両。
その雄姿をみられるのもあと少しです。
次回は「雪国周遊旅」を配信予定です。
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